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石井孝法 69
  • 2014.01.28 Tuesday
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石井の勝手に連載シリーズ第1弾ーートレーニング編
第5回 「継続こそ力なり!?」

前回は「過負荷」について,簡単に説明した.
今回は「漸進性」を簡単に.

ある一定の負荷でトレーニングをした場合,
ある一定水準をに達するとそれ以上効果が得られにくくなるため,
トレーニングの強度や量は,
筋力の向上に併せて徐々に高めていかなくてはならない.
これが,漸進性の原則である.

たとえば,
選手が正確な動作でベンチプレスをおこない,
60kgのバーベルを8回押し上げることができたとする.
この時点では,8回が限界(最大回数)である.
その選手がトレーニングを続けていくうちに
同じ条件で(60kg,正確な動作)で12回押し上げられるようになった.
仮に,12回を目標回数とするのならば,
ここで使用重量を65kgに増量する,
もしくはこの運動(今回はベンチプレス)を繰り返すセット数を1セット以上増やす.
これが,強度や量を漸進させたことになる.

しかし,実践の場をみると漸進性の原則を誤用していることが少なくない.

たとえば,
今日60kgで8回押し上げるトレーニングをしたら,
翌週は65kgに増量して8回押し上げる.
どうも正確な動作で押し上げられそうにないので,
それまでの正しいフォームを崩して,大きな反動を使って8回押し上げる.
このように,反復回数や使用重量だけに興味を集中させてしまう場合がある.

上記した「大きな反動」を利用した持ち上げ方を,
専門的にはチーティング・スタイルと呼ぶ.
これに対して,いっさい反動を使うことなく,
本来の主動筋の働きに重点をおいて
持ち上げたり下ろしたりするのがストリクト・スタイルである.
初心者は,ストリクト・スタイルでトレーニングを開始して,
トレーニングに慣れて,各運動で主動筋を意識できるようになってから
チーティング・スタイルを導入していくのが妥当だと考える.

これは,柔道のかかり練習や約束練習でもいえる.
たとえば,コーチが選手に
「かかり練習で20秒間に20回の施技ができること(非循環スピードの向上)」
を目標として,かかり練習(通称スピード打ち込み)を行わせたとする.
正確な動作では10回しかできないのに,
回数だけに興味を集中させてしまうと,
正しいフォームを崩してしまうことになる.

もっと悪いケースは,
「息があがること」に興味を集中させてしまうことである.
心肺機能の向上を理由にされ(それで向上するかもわからないのに),
選手は正しいフォームを捨てることになる.


筋力はもちろんのこと,心身をその重量・反復回数に
適応させていくためには,根気が必要である.
そのためには,漸進的にトレーニングを進めていくにかぎる.
専門的なトレーニングは,たいていの場合,
自分が専門にしているスポーツ活動よりも
適確に過負荷を課すことができる.
そのため,筋力をさらに向上させることが可能となる.

メディアを通して,
「5分でかわる!!」とか
「1ヶ月間のトレーニングで劇的にかわる」とか
をみると反吐が出そうになるが,
筋力トレーニングの効果が
こんな短期間で大きくあがるものと考えていたとしたら,
それは大きな間違いである.
地道なトレーニングを長期にわたって
正しい方法で継続しなければならないのである.

「地道な継続(漸進性)は力なり」である.